「何を着たら分からない!」「着るものがない!」大人になると季節の変わりめに言いがちな常套句。今季のトレンドをさりげなく取り入れた、大人の秋ファッションのおしゃれの極意を植松さんにレクチャーしていただきました。トレンドと定番のバランスをファッションの背景を紐解きながらユニークに解説。時代とトレンドはまわる!
人の生活にマッチしてこそ「トレンド」として確立する
トレンド的にはオーバーサイズが定着して、早5年以上が経ちますよね。
体型にやさしいオーバーサイズは、皆さんすごく重宝していることでしょう。
そのオーバーサイズのトレンドも、振り返ると 80年代~90年代もオーバーサイズだったんですよ。 そのトレンドが繰り返したわけです。
それから細身のトレンドがやってきて、今また 80年代、 90年代の再来でオーバーサイズの時代に。ということは、またこのブームが終わることはみんな薄々気づいているはず。
皆さんが大好きだったレギンスも80年代のもの。当時はスパッツと言いました。
「この流れ、長いな……」と思うかもしれませんが、実は前の流行時も長かったんです。
トレンドは人の生活にすごく「マッチ」するからトレンドとして確立するもの。
マッチしたものというのは、やっぱり重宝するから流行の期間も長くなるんです。
そこにハイブランドのデザイナーやクリエイティブディレクターたちが、新しいモードをトレンドになるべく押し出してくるんですよ。
なぜなら新しいものに敬意を払わなかったら、買わなくなるから。気分も変わるし。
ビジネス的には、やっぱり売り上げを上げるために新しいものを買ってほしいじゃないですか。ただ新しい提案をいっぱいしてくるんだけど、それが人の心と時代にマッチしないと、やっぱりトレンドにはならないんです。
「リアルモード」「リアルクローズ」では
オーバーサイズのトレンドはまだ続く

だからここでいうトレンドは「リアルクローズ」ということでお話をすれば、オーバーサイズのブームはまだまだ続くはず。
でも少しずつ変化をしてきていて、今は上下がゆったりではなくなりました。
トップスがコンパクトになり始めて、ボトムのゆったり時代は継続。
このゆったりブームの始まりを思い出せば、上がオーバーサイズ、下が細身でした。
その前は上下が細×細。
トップス&ボトムス両方「細」だったところにトップスのオーバーがやってきて、上も下もオーバーになりました。今はボトムはオーバーだけど、上はタイトめになってきています。
イメージはSPEED時代のHITOEちゃん!
ちびTトップス×ゆったりボトムのバランスの90年代ファッション!
上はちょっと細めになってきて、ちょっとおへそが出たりするぐらいのデザインも出てきていますね。大人的には上下ゆったりコーデはちょっと古くさく見えてくるので、体型のことについては甘やかさないこと!
ボトムもジャストウエストからハイウエストのものが出てきています。
ハイウエストになると、胴が短く、脚長効果も出せてバランスが取りやすいいいアイテムではありますが、お腹が出ていると特に大人は着られないですからね。
さらにはお尻が長く見えることも……。
ギルティフード=おデブ製造食

今ってギルティフードが大流行じゃないですか。 すっごいハイカロリーで、とてつもなく甘いおデブ製造食。「ギルティね~」なんて、おしゃれな感じで言っているけど。
こってりしたデザートがくると、「まあギルティ!」と言って喜んで食べている人がいますけど、ギルティの意味知ってる? 有罪よ、有罪!
今日から摂取カロリー、消費カロリー、その辺のことをちょっと意識するのも大人でしょうね。健康の面でも大事ですしね。
でもまだ大丈夫! ゆったりボトムの時代は当分続いて待っていてくれるから。
大人世代こそ、ボーダーをアップデイトせよ!

トレンドでいうと、最近気づくのは「ボーダー」の消滅。
ときどき街で見かけるけど、大体世代的に70アップ。
70アップのユニフォーム的な?
僕は個人的にあのマリンスタイルが大好きで、ボーダーも昔から大好き。
セーラー的な制服も、なんかお行儀が良そうに見えて素敵じゃないですか。
ボーダーって耳にするだけで、心が踊っていたぐらい好きだったです。
お洋服は、七難を隠してくれるものでもあるので、お行儀よく見せたいこともあってボーダー好きだったんですけど、「最近ボーダーが消滅したよね……」と思って。
パニエドール世代でも、好きな人は多いかもしれませんけど、
何も考えずにボーダーに手を出すと、若々しさを失うことに。
トレンドを超えた大定番だけど、今は残念ながらちょっと手が出しにくいのが現実。
今もいろいろなボーダーのデザインがあるけれど、3色くらいの多色ボーダーだったらいいのかなと思う。いわゆるあのツートーンの白×黒、白×紺、白×赤などの「ザ・ボーダー」配色は、どうしても古くさく見えてしまいます。
今年のものを着てます! という感じには見えない。 その場合は今のトレンドを意識した小物やアウターのバランスが大事。そこはパニエドール世代の皆さんはご用心!
ボーダー柄はベッドリネンや小物で取り入れて


だから僕はベッドリネンやバスタオルなどをボーダー、またはストライプにして、人知れずこっそり楽しんでいます。 ハンカチなどの小物も、さり気なくボーダーにしたり……。
今はそんな風に取り入れるのがいいかもしれないですね。
text:MIYUKI NEZASA
2026.10.9